好きの話

好きから好きだったに変わってしまったものがある人間は少なくないと思う。私も今でも好きなものばっかりだし、好きなものに支えてもらってなんとかかんとか頑張って歩かせてもらっている。今この瞬間に、私の大好きなもの達がいっぺんに無くなってしまったらどうしよう、とかたまに考えるけど、私はまた自分が全身全霊をかけて好きと言えるものを見つけ出すんだろうな、って思う。だから死ではないんだ、私の中で私が覚えている限りは。忘れてしまった好きだったもの達、その残留物、これから好きになる足掛かりかもしれない。好きを踏み台にして新たな好きを得るのかもしれない。でも、踏み台にしたからって、それを軽んじているとかそういうことではないんだ。うまく言えないけど、好きっていうのは芋づる式の時があるから、漫画とか映画とかそういうのは特にそうだから。私は「好き」を作る・見つけることが生きることだと思っているので、世界のすべてが大嫌いで自分も隣人も草木や食事や睡眠さえも嫌いな人でも、そんな人でも何か1つでも胸を張って「好き」と言えるものがあるなら、それはとっても素敵なことなんじゃないかなって思うよ。だから、誰かの好きを貶すような人間にはなりたくないとは思うよ、うまく出来ているのかわからないけど。最初からうまく出来る人間なんて一握りしかいないかもしれないし、私は凡人だから、分を弁えて、ささやかに幸せを享受していきたいです。