深夜のラーメンは美味かったです。

書きかけの文章の最後の方がなんかうまく決まらないので別の文章でお茶を濁そうそうしよう。

昔って言ってもせいぜい4〜6年前くらいの期間、兄とちょっと仲が悪かった。まあ双方思春期の終盤及び序盤だったのでなんかよくわかんないけどケンカがちょっとだけ多かった。

それはそれとして、先日兄が奥さんと娘を連れて帰省してきた。俺からすれば姉のところに続き2人目の姪と、義理の姉貴なのであまり粗相がないようにしていた。姪とは初対面だったのでちょっと緊張したけど泣かれることもなくニコニコしてメガネを掴みに来た。

まあなんもなく時間が過ぎて、晩飯食べ終わってから「ラーメン食いにいかんか」と兄から誘われた。夜食的なね。快諾してラーメンを食べに行った。

その道中、奥さんの愚痴をちょっと聞いた。

それに対して、意見を求められるようなことはなかったが、何も言わないのはなーと思い適当に色々言った。

そうしたら兄は、思春期の頃とは違いこちらの意見を否定することなく話を続けた。

兄は「子供が無事に産まれてきてくれて本当に嬉しいし、成長を見るのも楽しい」とは言っていたが「別に俺は子供がほしくてほしくて結婚したわけじゃないんだ。嫁と一緒に生きていきたいと思ったから結婚したわけじゃん。それでも子供がいればやっぱり子供が中心になるし、しょうがないとわかっていてもキツイ時もある」と言っていた。

いいことだと思う。相手のいない、できる予定もない俺には願っても得られない悩みだと思った。実際のところ、今の俺の月給じゃ結婚して育児をすることには不安しかない。相手がいないから無意味な想像だけど、俺だっていつかは伴侶がほしいし、いい相手ができればいいなと思う。子供は、どうだろう。産まれてくる子の幸せについては過去の文章でも書いた。あんまり考え方は変わってないし、俺の子供に産まれてくる子はそれだけで可愛そうだと思う。どうせいつかは生まれてこなければよかったとこの世を呪う夜が来る。明けない夜が来る。来なくてもいいのに、まるで呼ばれたみたいに来る。それなら産まれないほうが幸せだと思う。

まあ、それはそれとして。悲しかったことがもう一つ。兄は大人になってしまった。昔だったら「知ったような口訊くなカス」くらいジャブ程度に打ってきたのに。「そうなんだよ、大変なんだ。わかってくれてありがとう」等と。あまつさえ感謝の言葉を述べてきた。そんな人間じゃなかったはずだ、俺の兄は。いいやつだけど突然刺してくる言葉の一つ一つがビビるぐらい鋭いやつだったはずだ。そこまで言う必要ないでしょってくらい辛辣かつ理不尽な言葉をかけてくる人間だったはずなのに。こんな、彼女もいないし薄給だし酒も煙草も吸っている最低のクズに感謝の言葉を述べるような人間に成長してしまった。

俺は悲しかった。兄が真人間になってしまって。喜ぶべきことを喜べない自分が悲しかった。結局自分のことなんだけど。生きているうちに性根まで腐り切ってしまったみたいで悲しかった。でもこんなこと誰にも言えないし、言ったところで狂人扱いされるのは俺だし。掃き溜めに文章として吐き出すくらいしかできない。マジで終わってると思う。俺は兄のことを理不尽な暴力装置かなんかだと思ってたのかもしれない。全然そんなことなかったな。ただのいいやつだったわ。

心が歪んで軋む音がする。俺は結婚しても子供ができてもこのままだと思う。そもそも俺は一生独り身だろうから関係ないけど。