祈るなら、満天の星に

好きな人の存在ってのは、私をこの世に繋ぎ止める錨なので鎖が延びる範囲でしか生きてけないんですよ。簡単に忘れることができれば錨は外れて晴れて私は一人で自由の身と相成るのですが、残念なことに私は無駄に記憶力がいいんですよね。大事なことは覚えていないくせに大切なことはおぼえているのです。まあ大抵の人間は一度好きだと思った人間のことをそう簡単に忘れることはできないと思うのですが。

私はまあまあアレな人なので好きだった人達の幸せを祈らずにはいられないんですよね、毎晩眠る前に祈っています。誰に、とかそういうことは重要ではないんです。祈ることが重要なので。心に手を伸ばすのが叶わないところにいるので、祈るくらいは私の自由でしょう 。

語彙力が低いので、好きなものを的確に言い表すことができる人を尊敬します。私は好きな人達のことを声を大にして「好きだ」と叫ぶことはできても、好きな理由を語ることはできないんです。

私の作る文章サラダのことをほんのちょびっとでも好きな人がいるなら私は生きている意味をそこに見出だしたいです。意味は後でついてきてくれると信じているのでいつかは私にもできるでしょう、できるといいな。

頭が急にスッと冷えると死にたくなる。だから私は美しい風景が好きだけど嫌いです。静的な美しさは死に繋がると思います。真夜中の海岸や高い山から臨む雲海、寒々しい雑踏など美しい景色は山ほどありますが、あれらはすべて無関心だから美しいのです。