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小さい頃、休みの日に寝過ごしてしまって寝室に誰もいなかったことが数度あった。私は寂しがりやなので、ただそれだけのことで、世界に置き去りにされてしまったみたいだった。雪の降る朝だったと思う、その日は姉兄の部活かなにかの発表会で、私は行かないと言っていたものだった。もちろん両親は出掛けていて、本当にひとりぼっちだった。寒さは寂しさと直結しているので、とりあえず起きてポタージュスープを飲みながら「今この家には私一人なんだな」としみじみ感じたことがあったりもした。一人の時間は好きだが、起きがけには誰かの体温が必要なんだなと思った。

学生の頃は、冬の早朝が大好きだった。無駄に始発電車で高校の最寄り駅まで行って一時間くらい散歩して学校に行ったりすることもあった。夏の「起きたらもう明るい!」みたいな感覚も好きだけど、冬の「これから目覚めていく街と起きている私」もまた好きで、吐く息の一つ一つが私の生きている証拠だった。そんな事を夢で見て思い出した。早い時間だと本当に誰もいなくて、それがなんとも小気味良いというか、私だけの時間のような気がして好きだったな。電車ももちろん空いていたし、ゆっくり読書だってできた。

最近は、あまりどか雪が降ることも少なくなってしまって寂しいな。真っ白に染まった世界、大好きなんだけど。絶対風邪引くからやらないけど、雪が積もるまで外にいて、世界に埋没してみたい欲求が少なからずある。そのまま消えれれば最高だ。