秋限定の話

折角前回、夏について思いの丈をぶちまけたので順繰りに次は秋の信仰について話をしたいと思う。詳しくは知らないが、秋の色は白らしい。あれだけ色鮮やかで目に楽しい季節が白いとは、昔の人は異なことを仰るものだと思ったら、元は中国の論語に起源を持つものらしい。なるほど。だが確かに季節が進み冬に近づくにつれ色彩は失われていくようにも感じる。それを白と表す感性は参考にせねばなるまい。

話が逸れたな、信仰の話だ。また初秋、盛秋、晩秋で書いていきたいと思う。

初秋は、九月の頭くらいまでのことを言うらしい。でも今だと十月くらいまでは暑かったりするよなと思った。九月…特筆すべきこと無くない?早速頓挫してしまいそうだがちょっとよく思い出してみることにする。うむ、秋茄子くらいしか思い付かないな。という訳(どういう訳?)で秋茄子の好きな食べ方の話をしよう。まずはしょうが焼き、もちろん茄子オンリーで合わせて食べるのは米でもそうめんでも構わない、なぜならどちらにも合うからだ。それから天ぷら、これはめんつゆにつけて食べるのが美味しいのでそうめん向き。あとは…麻婆茄子くらいだなうちでよく出るのは、挽き肉と茄子と麻婆茄子の素で作られることが多く、これは米と合わせることが多い。あれがまた疲れて帰ってきた体にとても染みるのだ…。

次は盛秋だな。調べてみたけど秋の盛りとしか書いていないのでここでは朝晩の冷え込みがきつくなってくる十月中~下旬くらいまでのことを指したいと思う。また食べ物の話になるが、さつまいもの収穫量が増え、秋限定ドーナツとかスイーツとかが幅を聞かせてくる時期だと思っている。あとは、栗に梨に林檎にと目にも口にも楽しい時期になってくるな。それから、少しずつ夜への移り変わりが早くなっていくよな。私は、帳が降りる前の薄く黄緑かかったような青のなんとも言いがたい空の色が大好きなので、その時間が短くなっていくのは少しだけ悲しい。夜が長いと要らないことも考えてしまうしな。でも、風が緩やかに冷たくなっていく様は形容しがたくて好きだ。ただ寒くなっていくのとはまた趣の違うものがあると思う。

晩秋は、十一月から十二月初旬を指す。私がすんでいる地域では大体十一月の下旬から十二月の初旬に一度雪が降る。あれは好きだ。授業中に雷がなったときのような、不安と興味の入り雑じった感情はエモい。寒くなって空気が乾燥していくから温かいお茶なんかが美味しく感じる季節でもある。私は散歩するのにいい時期だと思っている。早い時間から星空を見ることもできるし、どこまで行っても一人のような気がして、心地よい寂しさを感じることができる。最初の方でも書いたが、冬に近づくにつれて色彩を失っていく世界はそれはそれで美しいと思うのだ。やっぱり、生物が少なくなるから静を感じるんだろうか。布団から出がたい季節にもなっていくよな、とかこんな感じだと思う。

 

秋はとかく、読書が似合うと思っている。夜長にすることがなくて(またはあるけどやりたくなくて)逃げるように文章の世界へと出かけるのは楽しいので。お茶とお茶請けを用意して、日付が変わるまでには、手を止めて休む。そんな過ごし方がいい。